JSPICC - 日本小児集中治療研究会

PALS 小児二次救命処置法 (AHA 認定) Pediatric Advanced Life Support

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小児の救命の連鎖と PALS (2004年) Pediatric Advanced Life Support

国立成育医療センター手術集中治療部 清水直樹

 

はじめに

 蘇生学とは、ただ単に心肺蘇生の手技を型どおりに実践することが目的の学問ではない。ガイドライン2000を紐解けば、「小児の蘇生とは、小児が緊急事態に陥った後に無事に生き延びられるための、地域全体の “救命の連鎖”の一部ととらえるべきである」 と記されている。これは、小児蘇生学の対象が、蘇生事象に限定されたことではなく、蘇生の前後をも包括した地域救急医療システムの構築過程そのものを考察対象としている、という意味である。

 P. Safar の“Reanimatology”という視点に立てば、蘇生後の中枢神経集中治療管理、即ち脳蘇生を最終到達点とする学問ともいえる。さらには、蘇生治療の医学的限界や Futility への気づきも含めて蘇生をめぐる倫理的意義を考え直し、予後不良の小児患者の Dignity のうちに如何に看取るか、といった終末期医療の考え方も、蘇生学における重要な考察対象として欠かせない。

 Pediatric Advanced Life Support; PALS をここで議論するにあたって、云わばその出発点でもある小児蘇生の最終目的が何処にあるのか、即ち小児蘇生学の対象が何であるのかを、改めて考えなおしてみることには新しい意味があると考えている。

 
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